7.参考資料

7-1 架橋ポリエチレン管の性能

(1)基本物性

表7-1 基本物性
項   目 単  位 試験方法 物性値
密   度 g/cm3 JIS K7112 0.93以上
引張降伏強さ 23℃ MPa
(kgf/cm2)
JIS K6769 16.0以上
(163以上)
80℃ MPa
(kgf/cm2)
5.9以上
(60以上)
引張破断時伸び 23℃ 300〜600
80℃ 300〜700
引張弾性率 23℃ MPa
(kgf/cm2)
392〜588
(4000〜6000)
80℃ MPa
(kgf/cm2)
137〜157
(1400〜1600)
シャルピー衝撃強さ Ncm/cm2 ASTM D256 割れず
硬  度 ショアー(Dスケール) ASTM D2240 60〜70
熱伝導率 W/m・K ASTM C177 0.35〜0.47
線膨張係数 10-4/℃ ASTM D696 1.4〜2.3
ビカット軟化点 JIS K7206 118〜133
融  点 流動せず
脆化温度 JIS K7216 -70

(2)管の使用温度及び最高使用圧力

表7-2 管の使用温度及び最高使用圧力
種類 使用温度℃ 0〜20 20〜40 41〜60 61〜70 71〜80 81〜90 91〜95
PN15 最高使用圧力
MPa(kgf/cm2)
1.50
(15.3)
1.25
(12.7)
0.95
(9.7)
0.85
(8.7)
0.75
(7.7)
0.70
(7.2)
0.65
(6.6)

(3)クリープ性能

図7-1 クリープ線図

(4)水撃圧

 配管途中に配置した弁、水栓等を急閉鎖することにより、秒速1mの管内の流れを瞬間的に停止させたときに発生する水撃圧の最大値に関し、架橋ポリエチレン管と代表的な他の配管材を比較します。

表7-3 弁などの急閉鎖によって発生する最大水撃圧     (流速1m/s当たり)
  架橋ポリエチレン管
(PN15)
水道用ポリエチレン管
(第2種)
銅管
(Mタイプ)
水道用亜鉛メッキ
鋼管
温度 20℃ 50℃ 20℃ 50℃ 20℃ 50℃ 20℃ 50℃
縦弾性係数
N/mm2
(kgf/cm2)
588
(60)
294
(30)
784
(80)
392
(40)
117,680
(12,000)
196,133
(20,000)
呼び 水撃圧 MPa (kgf/cm2)
10 0.30
(3.1)
0.22
(2.2)
0.39
(4.0)
0.28
(2.9)
1.26
(12.8)
1.34
(13.7)
1.40
(14.3)
1.52
(15.5)
13 0.30
(3.1)
0.22
(2.2)
0.33
(3.4)
0.25
(2.5)
15 1.24
(12.6)
1.31
(13.4)
1.39
(14.2)
1.52
(15.5)
16 0.30
(3.1)
0.22
(2.2)
20 0.30
(3.1)
0.22
(2.2)
0.32
(3.3)
0.24
(2.4)
1.20
(12.2)
1.27
(13.0)
1.38
(14.1)
1.50
(15.3)

 表7-3に見られるように、架橋ポリエチレン管は他の配管材に比べ、同じ条件で発生する水撃圧が際だって低いことから、生じる衝撃音も十分小さいことが期待できます。

 なお、最大水撃圧(水頭)は、下記の式によって計算します。
最大水撃水頭 (mAq)…………Joukowskyの式
ただし、a:弁等の急閉鎖によって発生する圧力波の伝播速度(m/s)
K: 流体の体積弾性係数………N/m2(kgf/m2)
g: 重力の加速度……………………m/s2
γ: 流体の比重量……………………kg/m3
D: 管の外径…………………………m
t: 管の肉厚…………………………m
E: 管材の縦弾性係数………………N/m2(kgf/m2)
v: 弁閉鎖直前の流速………………m/s

(5)衛生性

表7-4 架橋ポリエチレン管の衛生性試験結果
規格・法規 性能項目   性能の規格 測定結果
JIS K6769
(試験温度は
95℃とする)
浸出性 濁度 0.5度以下 0.5度以下
色度 1度以下 1度以下
過マンガン酸カリウム消費量 2mg/以下 2mg/以下
残留塩素の減量 1mg/以下 1mg/以下
臭気 異常がないこと 異常なし
異常がないこと 異常なし
JIS K6768
(試験温度は
常温とする)
浸出性 濁度 0.5度以下 0.5度以下
色度 1度以下 1度以下
過マンガン酸カリウム消費量 2mg/以下 2mg/以下
残留塩素の減量 0.7mg/以下 0.7mg/以下
臭気 異常がないこと 異常なし
異常がないこと 異常なし
食品衛生法規 1.材料試験 カドミウム及び鉛 100ppm以下 いずれも
100ppm以下
2.浸出試験
(60℃にて
試験)
重金属 1ppm以下 1ppm以下
過マンガン酸カリウム消費量 10ppm以下 10ppm以下
蒸発残留物
(個別規格)
30ppm以下 30ppm以下
4%酢酸 30ppm以下 30ppm以下
20%アルコール 30ppm以下 30ppm以下
n-ヘプタン※ 150ppm以下 150ppm以下
※25℃、1時間の試験条件

(6)耐塩素水性

 水道水の殺菌処理として投入される塩素ガスに対する耐久性が配管材の場合大きな問題とされている。世界的に著名な試験機関であるボディコート社(スウェーデン)が架橋ポリエチレン管の塩素水性に関して、密閉系の回路で連続通水試験を実施している。
 この結果に基づいて、ボディコート社が架橋ポリエチレン管の破壊時間を推定したのが図7-2である。

[例] 密閉系回路で水道水を75℃に加熱し、圧力0.3MPa、塩素水濃度0.3ppm(一般的な
家庭で使用している水道水の塩素濃度は0.1〜0.3ppmといわれている)で使用した
場合、架橋ポリエチレン管(呼び径13、外径17mmφ、厚み2mm)が破壊するまでの
時間の目安を0.3ppmの図7-2から推定してみる。

計算式
    ■■ P: 圧力(MPa)
σ: 円周応力(MPa)
D: 平均外径(mm)
e: 最小厚さ(mm)

上記の計算式から、σは1.125MPaになり、図7-2の円周応力1.125と
75℃の交差する破壊時間は約48万時間となり、年数に換算すると
480,000時間÷8,760時間/年=54.79年となり、少なく見積もって
約55年と推定される。

図7-2 架橋ポリエチレン管の破壊時間の推定(ボディコート社試験)