架橋ポリエチレンのリサイクルについて |
架橋ポリエチレンは、優れた耐熱性と電気特性を有していることから、給水給湯パイプをはじめ 電線・ケーブル被覆材などに幅広く使用されている材料です。 しかしながらその架橋による三次元網目構造のため、再度溶融させて成形加工することが難しく、 大半がサーマルリサイクルもしくは産廃処理されています。 ここでは現在行われている或いは検討が進められているリサイクル方法について紹介します。 |
一般的な廃プラのリサイクル方法 |
サーマルリサイクル |
マテリアルリサイクル | ケミカルリサイクル |
燃料化・エネルギー回収 ・ごみ発電 ・固形燃料 |
材料リサイクル ・プラスチック原料化 ・プラスチック製品化 |
原料・モノマー化 ・高炉還元剤 ・コークス炉化学原料化 ・燃料化 |
架橋ポリエチレンのリサイクル方法と現状について |
サーマルリサイクル | 単に焼却処理せずに、焼却の際に発生する熱エネルギー を回収・利用すること。 現状ではこの処理方法が最も多いです。 |
マテリアルリサイクル | 製品原料として再度利用すること。 架橋構造を破壊し、熱可塑化する技術は確立されており、 同じ架橋ポリエチレン材料である電線・ケーブルの被覆材 の分野では実用化されています。 |
ケミカルリサイクル | もとの油や原料(モノマー)などに分解処理すること。 超臨界水による架橋分解手法の研究が進められており、 実験レベルでは成功しています。 |
架橋ポリエチレンのリサイクル技術は徐々に確立されつつあり、他の分野(電線ケーブル)では マテリアルリサイクルについても既に実用化が行われています。 但し、架橋ポリエチレンパイプについては、製品寿命が長く、使用済み品の回収実績や廃棄量の 規模が少ないことから、マテリアルリサイクルを事業化するには至っていません。 将来的には使用済み品の回収が増えていくに従い、サーマルリサイクルからマテリアルリサイクルへの移行が進むものと予想されます。 |
<戻る>